ボーイスカウトとは?
ボーイスカウトは、世界172以上の国と地域、5,700万人(女性のスカウトを含む)以上が、日本では約9万人が参加する「世界最大の青少年教育運動」です。
その歴史は、今から100年以上前となる1907年、イギリスの退役軍人であったロバート・ベーデン=パウエル卿が、20名の少年とともにブラウンシー島で行ったキャンプに始まります。 その後、彼が著した『スカウティング・フォア・ボーイズ』という書籍が爆発的に普及。野外活動を通じて「人格・健康・技能・奉仕」という良き社会人となるために必要な青少年の資質を伸ばすことを目的としたボーイスカウト活動は、イギリス国内に留まらず、世界中に広まりました。
ボーイスカウトを直訳するとボーイは「少年」、スカウトは「先駆者・道を切り開いていく人」となり、「自ら率先して人生を切り開いていく少年開拓者」を意味します。
また、ボーイスカウトで活動すること、またその理念を「スカウト運動(Scouting=スカウティング)」と呼んでいます。
ボーイスカウト運動の目的は何ですか?
家庭でも、学校でも、職場でも、地域社会においても信頼され、活躍を期待される青少年を育てることです。 ボーイスカウト日本連盟の教育規定(教育規定第1章「教育の目的」)には、以下のように記されています。
「本連盟は、ボーイスカウトの組織を通じ、青少年がその自発活動により、自らの健康を築き、社会に奉仕できる能力と人生に役立つ技能を体得し、かつ、誠実、勇気、自信および国際愛と人道主義を把握し、実践できるよう教育することをもって教育の目的とする」
また、ボーイスカウト日本連盟初代総裁であった後藤新平は、次のような言葉をスカウトたちに残しています。
「人のお世話にならぬよう 人のお世話をするように そして報いを求めぬよう」
この言葉に、ボーイスカウト活動を通じて育成したい青少年像が端的に表されています。
ボーイスカウトはどのような活動を行っているのですか?
先駆者、開拓者として社会をリードする人材に求められる「責任感」「リーダーシップ・フォロワーシップ」「協調性」「忍耐力」「好奇心・探究心」「国際性」などをキャンプやハイキングなどの野外活動や地域社会への奉仕活動を通して養います。
日本では、年齢別にビーバースカウト隊(年長9月〜小2)※、カブスカウト隊(小2~小5)、ボーイスカウト隊(小5~中3)、ベンチャースカウト隊(中3~高3)、ローバースカウト隊(高3〜大学生~25歳までの社会人)の5つに別れて活動を行っていますが、小学生から社会人までが合同で活動する機会(団活動)も年数回用意されています。
※ビーバースカウト隊は、小学校に入学する前年9月(幼稚園年長組の9月)より仮入隊可能です。
各隊とも、スカウトだけで自ら行う班・組集会(月1〜2回)、班・組集会の成果をキャンプやハイキングなどを通して競い合う隊集会(月1回)に加え、奉仕や団の活動が(月1~2回)あります。
また、日本中のスカウトが集いキャンプを行う「日本ジャンボリー」や世界中のスカウトが一堂に会する「世界スカウトジャンボリー」、センバツ高校野球のプラカード持ちや大阪マラソンでの奉仕活動など、所属団や地域を越えたイベントに参加する機会も多数用意されています。
当団各隊の詳しい活動内容は、上部メニュー「各隊紹介」内の各隊ページをご覧ください。
ボーイスカウトはどのような教育方針に沿っているのでしょうか?
ボーイスカウトは、以下の「ちかい」と「おきて」の実践を教育の基本方針としています。
尚、ビーバースカウト隊では「やくそく」と「きまり」、カブスカウト隊では「やくそく」と「さだめ」と呼んでいます。
<ビーバースカウト隊>
◆ やくそく
ぼくはみんなとなかよくします ビーバー隊のきまりをまもります
◆ きまり
- ビーバースカウトは げんきにあそびます
- ビーバースカウトは ものをたいせつにします
- ビーバースカウトは よいことをします
<カブスカウト隊>
◆ やくそく
ぼく(わたくし)はまじめにしっかりやります
カブ隊のさだめを守ります
◆ さだめ
- カブスカウトは すなおであります
- カブスカウトは 自分のことを自分でします
- カブスカウトは たがいに助けあいます
- カブスカウトは おさないものをいたわります
- カブスカウトは すすんでよいことをします
<ボーイスカウト隊以上>
◆ ちかい
私は、名誉にかけて、次の三条をちかいます
一、神(仏)と国とに誠を尽くし、おきてを守ります
一、いつも他の人々をたすけます
一、からだを強くし心をすこやかに徳を養います
◆ おきて
- スカウトは誠実である
- スカウトは友情にあつい
- スカウトは礼儀正しい
- スカウトは親切である
- スカウトは快活である
- スカウトは質素である
- スカウトは勇敢である
- スカウトは感謝の心をもつ (★意味をもう少し詳しく説明)
これら「ちかい」「おきて」を「班制度」と「進歩制度」という2つの教育制度を通じて実践しています。
◆「班制度」 (カブスカウト隊では「班」のことを「組」と呼んでいます)
班は、少人数の子供たちによって構成されています。その目的は、小グループの活動によって、互いに競い合い、助け合い、学び合い、苦楽を共にして団結力や友情を育むことにあります。 創始者であるベーデン=パウエル卿は、班制度の意義を以下のように述べています。
「班は、少年たちを遊び仲間のグループに編成し、仲間の一人にリーダーシップをとらせる。6~8名の少年たちの班は、一人ひとりが仲間の一員として、自分の役割を果たすことができると感じるのに、ちょうどよい人数である。班員一人ひとりが、班の集会でもキャンプでも、班全体の効果的な運営に分担の役目を果たすのである」
班制度は、
- 遊び仲間の異年齢集団である
- 仲間の一人にリーダーシップをとらせる
- 6~8名の少人数で構成することで、一人ひとりにやる気を出させる
- 班の運営のために、一人ひとりが明確な役割を担うと表現できます
◆進歩制度(バッジシステム)
子どもたちは、それぞれ持って生まれた才能だけではなく、成長するにつれて興味を持つようになった趣味やスポーツなどがあるはずです。子どもたちは、成長の過程で一人ひとり個性を伸ばす可能性をたくさん秘めているのです。
そんな子どもたちに、個々の成長に応じて好奇心を刺激しながら、社会人として必要な資質を身につけてもらうことに進歩制度の目的をおいています。
進歩制度には、子どもたちが必ず身につけておくべき共通のもの(修得課目)と、各自の特技や好奇心を伸ばすもの(選択課目)があり、様々な活動を通じて、子どもたちはこれらの課目を履修することを動機づけられ、自主的に修得に向けて努力するようになります。履修を終えると子どもたちに記章が授与され、周囲から讃えられるとともに、制服に着用することができます。
進歩制度は、子どもたちの好奇心を刺激し絶えず成長していくための目標を持たせることと目標達成の過程の努力を認めることで、自己効力感を育むことを目的としているのです。
<カブスカウト隊:チャレンジ章(選択課目)>
国際/友情/動物愛護/自然保護/災害救助員/天文学者/ハイカー/キャンパー/探検家/写真博士/自転車博士/工作博士/救急博士/水泳選手/チームスポーツ選手/画家/音楽家/料理家/園芸家/演劇家/読書家/マジシャンなど
ちなみに進歩制度の最終到達点は、ベンチャースカウト隊(中3~高3)の「富士スカウト章」になります。そこに至る過程には、ボーイスカウト隊(小5~中3)での「初級スカウト章」「2級スカウト章」「1級スカウト章」「菊スカウト章」、ベンチャースカウト隊での「ベンチャースカウト章」「隼スカウト章」があります。「富士スカウト章」は、スカウトにとって最高位の章となり、取得すると東宮御所や首相官邸を表敬訪問することが可能となります。
ボーイスカウト活動を通じて得られるものは何ですか?
ボーイスカウトは、小学校低学年から社会人まで継続して行う青少年教育活動ですので、すぐに目に見える成果が現れるものではないと考えています。しかし、継続的に活動する中で、「リーダーシップ」や「主体性」「責任感」「協調性」などが芽生え、人の役に立てる人間として成長した姿を見ることができるはずです。「ボーイスカウトに入れていてよかった」と思える瞬間が必ず訪れます。
箕面第1団では、様々なかたちで保護者の皆さまのご参加やご協力をお願いする機会がありますので、ご家庭では見せない子供たちの凛々しい姿をご自身の目で確かめていただければと思います。
なぜ多くのスカウトが、人生を通しスカウト活動を続けているのでしょうか。それは「世代を越えた生涯の友が得られる場」だからです。本活動は、学校と異なり同年代だけに閉じたコミュニティではありません。横だけではなく、縦のつながりを持つことができ、数多くの多様な仲間との友情を育むことができます。ボーイスカウトで得た仲間は、子どもたちにとってかけがえのない「財産」になるはずです。
様々な年代、そして異なる学校に所属する子どもたちが集まるボーイスカウトは、「社会の縮図」とも言えます。こうしたコミュニティで小学生時代から多様な経験をすることにより、「生きるための知恵」を得ることができるのです。